
Elyot Boudart, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
「Small Prophets」でApple TVが初めて既存ヒットを獲得
Apple TVはBBC Twoで成功したドラマ「Small Prophets」の世界配信権を取得した。完成済みのヒット作を加える戦略の試金石になる。
7年間のオリジナル路線に生じた転換
2019年の開始以来、Apple TVは自社開発か自社発注の番組を中心にしてきた。今回の作品はBBC TwoとBBC iPlayerで先に放送され、成功を収めてからAppleが世界配信権を取得する。完成済みの英語作品を買う点が新しい。
英語圏の完成作品を、別の放送局で実績が出た後に取得するのは、これまでのApple TVの典型的な順序ではなかった。外国語作品の取得や映画の買い付けとは違い、今回は英国の放送ヒットが対象である。
Appleが手に入れた作品
Pearce Quigley演じるMichaelは、失踪した恋人の行方を知るため、父から受け取ったレシピで未来を予言する小さな精霊を作る。実写とアニメを組み合わせ、マンチェスター郊外を舞台にする。
物語の中心は失踪と発見への願いであり、Appleが買ったのはジャンル名だけではない。すでに評価された穏やかな連続ドラマを、英国以外の視聴者にも届ける権利である。
数字と賞が支える判断
DeadlineによればBBC Twoでは2022年以来最高のコメディーの28日間初動となり、Rotten Tomatoesでは100%を得た。3月のSeries ManiaではInternational Panorama賞を受賞した。単なる無名作の買い付けではない。
100%という評価は批評サイトの指標であって視聴者数ではない。それでも放送実績、賞、批評が同じ方向を向くため、Appleが判断しやすい作品だったことは分かる。
10月7日、英国以外で配信
Apple TVは10月7日に世界配信を始めるが、英国ではBBC iPlayerで約5か月長く視聴できる。BBCが先に資金と放送を担い、Appleが海外の観客へ窓口を広げる構図である。
英国での配信を遅らせる条件は、元の放送局との関係を保つためのものだ。世界配信権を得ても、最初の市場での窓口をすぐ奪う契約ではない。
値上げ後のカタログ戦略
月額料金が14.99ドルになった直後、既に観客と評価を得た作品を加えるのは、制作期間と失敗リスクを抑える方法だ。NetflixやAmazonでは普通の組み合わせを、Appleがシリーズで試すことになる。
料金改定後の視聴者は、毎月の新作だけでなく、すぐ見られる完成済み作品もカタログの価値として評価する。取得作品はこの期待に早く応えられる。
次のシーズンが試金石
Crookが第2・最終シーズンを執筆中との報道はあるが、BBCの発注は確認されていない。10月の視聴結果と次シーズンの権利の行方が、一度きりの判断か戦略転換かを示す。
Appleが次のシーズンにも関わるなら、買収は一度きりの配信契約から継続的な作品戦略へ変わる。現時点ではそこまでの確認はない。