
Roméo A. / Unsplash — contextual photograph of Apple Vision Pro
Apple、Visionチームを縮小 ヘッドセット戦略は減速へ
AppleInsiderはVision関連で少なくとも60人の削減を報じ、MacRumorsが紹介したBloombergの続報はVision各チームで約100人に及ぶ削減を伝えている。Appleは製品の中止を発表していない。確認できるのは、ヘッドセット計画の縮小と、眼鏡への重点移動だ。
報道された人員削減
AppleInsiderは8月20日、AppleがVR開発に関わるチームを削減し、少なくとも60人が影響を受けたと報じた。数字は匿名情報源に基づくもので、Appleは確認していない。翌日、MacRumorsはBloombergの報道を紹介し、Vision Proのゲームや没入型ビデオのチームを中心に、Vision関連で約100人が削減されたと伝えた。両方の数字を同じ出来事の確定値として扱うことはできないが、方向性は一致している。
「終了」ではなく、優先順位の変更
AppleはVision ProやvisionOSの終了を発表していない。実際、現在の所有者にはソフトウェア更新が続き、visionOSはAppleが空間コンピューティングの基盤として説明してきた製品だ。今回確認できるのは、専任チームと高コストなコンテンツ制作への投資が縮小していること、そして次のヘッドセットの時期が遠のいていることだ。
この区別は重要だ。AppleInsiderの記事は「VR開発を担当するチーム全体」が解雇されたとし、MacRumorsの続報はゲームと没入型ビデオの部門を大きく縮小したと説明する。一方で、Vision関連の技術が他の製品やソフトウェアに移される可能性まで否定されたわけではない。人員を減らすことは、技術を捨てることと同じではない。
短い製品史が示すもの
Vision Proは2023年6月に発表され、米国では2024年2月に3499ドルで発売された。AppleはこれをVRヘッドセットではなく「空間コンピュータ」と位置づけた。2025年にはM5版が登場したが、価格や重量といった普及の障壁は消えなかった。高価で重い製品を、安価な派生モデルなしに大きな市場へ広げるのは難しい。
Appleの過去の新カテゴリーでは、初代製品の後に価格帯やサイズを広げるモデルが続いた。Visionではその展開がまだ見えていない。MacRumorsが紹介する報道では、より軽く安い「Vision Air」と第2世代Vision Proの計画にも見直しが入っている。9to5Macが伝えた6月のロードマップでも、現段階で開発が続く中心はディスプレイなしのAI眼鏡と、より遠い将来のディスプレイ付き眼鏡だった。
眼鏡へ移る理由
眼鏡は、没入型ヘッドセットより軽く、日常的に使いやすい。カメラ、Siri、Visual Intelligenceを組み合わせるなら、AppleがVision Proで培った認識技術をより広い市場へ持ち出せる。一方、カメラ付き眼鏡にはプライバシーという別の難題がある。したがって、眼鏡への移行も発売が確定したという意味ではない。
購入者が知っておくこと
現在のVision Proが突然使えなくなる兆候はない。購入者にとって問題はサポートの有無ではなく、次のハードウェアがいつ、いくらで、どの重さで登場するかだ。Appleが発表していない以上、値下げや短期の後継機を前提に買うべきではない。今回の人員削減は、Visionのアイデアが消えるというニュースではなく、最初の形である高価なヘッドセットがAppleの最優先ではなくなったというニュースである。